振り飛車破り超急戦ガイド

作成日:2004.04.05
振り飛車破り超急戦ガイド (パワーアップシリーズ)
著者 :深浦 康市
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2004-03-01
価格 :¥182(2024/02/06 07:38時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「振り飛車破り」と名がついているが、全ての振り飛車に対応している本ではない。
ゴキゲン中飛車▲5八金右の超急戦と、対藤井システムに▲3五歩から▲4六銀と急戦で挑む形。それと、かなり古いが後手三間飛車に対する急戦の解説をしている。
こうやって文字にすると「随分とかたよった戦法に絞ったなぁ」という気になるが、しかし、これで振り飛車対策はほぼ万全という現実(笑)。今のプロの目が、いかに藤井システムとゴキゲン中飛車に集中しているかが判る。

本書の特徴は「終盤編」をつけたことです、というのが、本書のウリの一つになっている。
定跡書で「~にて先手よし」となっていても、そこから勝ち切れない人もたくさんいる。そこで、定跡書の終わりから実際に勝ちに持っていくまでの考え方や指し方を解説する、というものだ。
わざと意地悪い言い方をしてしまえば実戦譜をつけただけなのだが(笑)、こういう姿勢は評価していいと思う。高段者は自分で実戦譜を並べて会得するのだろうが、3段くらいまではなかなかそういうことはできない。棋譜の裏側、行間が読めないからだ。こうやって偉そうに言ってる白砂もそんなもん読めないんですけどね(笑)。
だから、仮に実戦譜に解説をつけただけのシロモノであったとしても、文章にして棋書という形で提供してくれるのはありがたいと思う。

本当は級位者にも読んで欲しいと思うが、さすがに採り上げた戦法が難しすぎる。強くは薦められない。そのため、☆1つ少なくしている。
また、本書の内容は東大将棋シリーズとかなりかぶる部分があるので、有段者はそちらを読んだ方がよりいいと思う。そのため、かなり評価を落としている。